龍太郎一味のご無体な学園生活

という訳で強引に。

拓斗と喜屋武は橘邸から放り出されてしまった。

拓斗の家なのに、何故他人の遊里に放り出されなければならないのか。

「「……」」

ドアの前、お互い顔を見合わせて頬を染める拓斗と喜屋武。

と。

「あ」

拓斗は喜屋武の長い黒髪に、見覚えのあるシュシュがついている事に気付く。

結うと花が咲いたかのように見える柔らかいシュシュ…。

拓斗がクリスマステロの時に、喜屋武にプレゼントしたものだ。

「あ…っ!」

拓斗の視線に気付き、ますます赤くなる喜屋武。

「すっ、すみません!早速舞い上がって使っちゃって!」

「い、いえ、使ってもらえて嬉しいです…気に入ってもらえたんですね?」

「は、はいっ…可愛いシュシュで…こういうお洒落なものには無頓着なものですから…また色々教えて下さい…」

喜屋武の赤面、更に3割増し。

と。

「キャンペーンさんが、『拓ちゃん色に染めてぇ』だって♪」

ドアをガチャッと開け、遊里が茶々を入れる。

「遊里さんっ!」

喜屋武に怒鳴られ、すぐに引っ込む遊里。