立禅を終えた龍太郎は。

「せいっ!」

裂帛の気合と共に左右の正拳を突き出す。

早朝の透き通った、しかし身を切るような空気の中、いささかも怯む事なく中段正拳突きの稽古。

空手や中国拳法の基礎の基礎とも言うべき稽古だ。

初心に帰って。

真剣な面持ちで、龍太郎の正拳突きは続く。