「やべぇっ、やべぇっ!」

呼吸を乱しながら校舎内を走る。

もう放課後だ。

こんな時間に何人生徒が残っているか。

しかも男子校のヤンキーや、人外に立ち向かえるほどの腕自慢となると…。

とにかく慌てながら、龍太郎は校内を探し回るしかない。

そんな彼にまず気がついたのが。

「お?龍太郎先輩じゃねぇか」

黒マント、背中にブロードソードを背負った赤い瞳の少年…魔女剣士こと1年のレッドだった。

「何かあったのか?血相変えて」