「無理な相談ですね」

冬休み真っ只中の天神学園。

補習中の教室で、高成は眼鏡を中指でクイと押し上げる。

「しまじろう先生と龍娘先生の結婚、それはまことにめでたい、結構な事です。生徒達がそんな恩師を祝う為に、結婚披露宴を開く、泣かせる話じゃないですか、しかし」

高成の冷ややかな視線が、目の前の席に座る龍太郎に向けられる。

「貴方はその結婚披露宴には参加できませんよ?補習中の身じゃありませんか」