確かに龍太郎の身の内には、臥龍がいる。

本人でさえ、つい最近知った事実。

この天神学園がまだ学び舎として機能する前の遥か昔…化け猫であるこの学園の教頭や幽霊だった頃の小岩井、天神学園を神の桜の結界の力で守護している佐倉の眷属達が総出でようやく封印した荒ぶる龍が、龍太郎の…丹下の一族の血の中には封じられているのだ。

「この女…おのれと親しき間柄と見た」

狒々は気絶した愛を抱きかかえてニヤリと笑う。

「助けたいであろう?ならばそこのゴロツキどもの通う男子校に来い。無論その時は、おのれの身の内の臥龍、はらわたと共に引きずり出されるつもりでな」

嘲笑と共に電柱から電柱へと跳ねながら去っていく狒々。

ヤンキー達も、この隙に既に去ってしまっていた。