龍太郎一味のご無体な学園生活

分身の自分と気付かれないように摩り替わり、アルベルトはまた教師や生徒達と談笑している。

やはりいつまでも場を離れる訳にはいかない。

多少羽目は外したものの、責任ある立場としては仕事もこなさなければ。

しかしその最中、彼は時折右手の小指で何かを引っ張るような仕草。

その度に。

「!」

離れた場所で友人達と過ごしている愛、その小指がクイクイと引っ張られる。

まるで指きりげんまんしたまま、アルベルトが悪戯に引っ張っているようだ。

その度に、彼を近しく感じる。

そして思うのだ。

いつだってアルベルト学園長と自分は、傍らに寄り添い合っているのだと…。