「自覚がないようだから言ってあげるけどさぁあ?」

シナッ、と椅子に凭れ掛かってピンドンを飲み干すのは、穏健派教師陣にして佐倉の眷属の一人、佐倉 冬(さくら ふゆ)。

この人も今年の修学旅行で異世界で遭難しながらも、ノホホンと酒を飲み続けていたという武勇伝を持つ酒豪だ。

「まくし立ててはいるものの、呂律が回っていないわよぉ?龍娘センセ?」

「らにぃっ?そんな馬鹿ら!」

いや、『らにぃっ』て。

既にトロンと据わりかけた目のまま、冬を睨みつける龍娘。