駆け足のクリスマスイベント巡りを終え、アルベルトは一旦天神学園へと戻ってくる。

「さてと、次はどこへ行きたい?」

床に愛を降ろし、顔を覗き込むアルベルト。

「いっ、いえっ、もうっ、十分満足しましたっ」

二つ括りの髪をブンブン揺らして言う愛。

まさかお姫様抱っこしてもらったまま、こんなに沢山クリスマスを堪能できるとは。

一緒にいられるだけでも幸せなのに、こんな夢みたいな事はない。

だというのに。

「えぇ…もう満足しちゃったのかい?」

眉尻を下げて、アルベルトは少し不満げ。

「僕はまだ物足りないんだけどなぁ…」