龍太郎一味のご無体な学園生活

「そんな顔をしないでくれないか」

アルベルトが愛の頭をそっと撫でた。

「これからは天神学園に顔を出す頻度も増やすよ…月に一回は来るようにしようと思う。これまでは余りにも不在にし過ぎていたからね」

「……」

それでも元気のない愛。

「ところで…」

アルベルトは自分の飲み物のカップを、愛に差し出した。

「悪いんだけど、愛のブラックコーヒーとこれ、交換してくれないか?気紛れで買ってみたんだが甘すぎるね、これは…」

「え…」

見れば、アルベルトのカップの中身はホットココアだった。

…無論、気紛れなんてのは嘘。

彼は愛がブラックコーヒーに音を上げる事など、先刻お見通しだったのだ。