とはいえ、クリスマスである。

鷹雅と過ごすのは彼女の中では当然の事(本人の意思などまるで考慮にはない)として、折角の聖夜にプレゼントがないのは締まらない。

「どうしよっかなぁ、何か私の愛用品をプレゼントしようかなぁ」

部屋の中をグルリと見回す遊里。

しかし彼女の私物はテレビゲームだったり、そのゲームの攻略本だったり、まぁ多少女の子らしい小物だったり、とても鷹雅が喜びそうなものとは思えない。

鷹雅が喜ぶといえば美味しい料理だが、生憎と遊里は喜屋武や小夜ほど料理も得意ではない。

何より橘邸で美味しい料理を食べ慣れている鷹雅だ。

遊里の腕前で彼の舌を唸らせる事ができるとは到底思えない。