☆アルフレド・バルツァー&筱萠の場合

「王子!王子!」

筱萠がワチャワチャと慌てる。

「クリスマステロなのじゃ!クリスマスイヴに宴が開かれるそうなのじゃ!」

「あ、ああ、存じていますよ。全く…誰がこんな安っぽいコピー用紙で招待状なんてばら撒いたんだか…」

招待状を指先で摘まみ、呆れたように溜息をつくアルフレド。

「お、王子は参加せぬのか…?」

そのアルフレドのリアクションから察するに、クリスマステロには興味がないのかもしれない。

寂しそうに彼を上目遣いで見つめる筱萠だが。

「いえ、こういうイベントの時は、大抵騒動が起きますからね。生徒会としては参加して監視の必要があります。昨年も酷い有様でしたから」

キリッ、と男前顔で告げるアルフレド。

ぱぁっ、と。

筱萠の表情が綻ぶ。

「そうか!やはり王子も参加するのじゃな!サンタコスで!」

「…………は?」

かたまる王子。

「赤い帽子に赤い服、トナカイにソリを引かせた凛々しいお姿の王子が、今年は間近で見れるのじゃな!これはクリスマステロが待ち遠しいわ」

白馬の王子の次はサンタコス。

生徒会副会長アルフレド・バルツァーの明日はどっちだっ?