龍太郎一味のご無体な学園生活

「へぇ…意外に大人な嗜好なんだね…」

愛にブラックコーヒーを買った後、自分の飲み物も買うアルベルト。

「……」

コーヒーを手渡され、愛はまじまじとカップの中を見つめる。

黒々とした、これでもかというほど漆黒のブラックコーヒー。

砂糖もミルクも入れないコーヒーなんて、飲むのは初めてだ。

コーヒーなら飲むのはカフェオレ、しかも砂糖は二つ以上入れた極甘のものだというのに。

何という冒険か。

「ん?どうした?愛」

「い、いえっ、頂きます」

アルベルトの手前、怖気付いてはいられない。

カップを傾けた愛は。

(苦ぁあぁあぁいっ、飲めないよぅっ)

その洗礼に顔を顰めた。