どこかでメドゥーサの絶叫が聞こえる。

その盗撮の魔の手から逃げる生徒達、逆に囃し立てる生徒達、寧ろ自分から写りに行く雛菊など。

本当にこの学園はいつ見ても喧しい。

「ははは…元気があっていいね…あり過ぎて僕みたいなオジサンにはちょっとついて行けないけれど…」

苦笑いしながら、アルベルトは眼鏡の下の瑠璃色の瞳を細めた。

並の魔法使い数百人分の魔力が蓄積されている『魔眼』。

凝縮された魔力を蓄積した瞳で相手を睨み付ける事により、呪文詠唱をしなくても、相手に強い衝撃を与える。

その衝撃は生半可な魔法よりも効果的で、強い魔法抵抗力を持つ存在でさえも一発で行動不能に陥るという。

あまりに強力な戦闘スキルの為、学園長は普段から魔術品『瞳術殺し』という眼鏡をかけ、自らの能力を封じているのだ。