…って、龍娘の事はいいのだ。

アルベルトである。

ふるふるっ、と首を振って、愛は思考を切り替える。

教室、体育館、職員室、校庭。

色々回ってみたが、アルベルトの姿はない。

(異世界の方にいるのかな…)

学園長世話係兼案内役という事で、少しお近づきになれたと思っていたが、それもアルベルトがこちらの世界にいる時だけ。

愛は自分で思っているほど、アルベルトの事をよく知らないのかもしれない。