いつもの白い着物。

雪菜は小岩井の目の前で、その着物に襷掛け。

「今日は小岩井さんは用務員のお仕事はお休みですっ」

「……は?」

狐に摘ままれたような顔をする小岩井。

摘まんだのは狐ではなく雪女だが。

つまり、今日は雪菜が小岩井の代わりに用務員の仕事をするという解釈でいいのだろうか?

「いえ…雪菜さん…用務員の仕事は結構汚れる仕事もありますから…」

「平気ですっ」

「力仕事もありますので…」

「こう見えても私は力持ちなんですっ」

着物の袖を捲って力瘤を作って見せる雪菜。

これっぽっちも瘤なんて出来ていない、華奢で白くて細い腕だ。