多くの人々と仲間達が見守る中、式は厳かに進行する。

「新郎、龍太郎。貴方は病める時も、健やかなる時も、この者を愛し、生涯、互いに愛と忠実を尽くす事を誓いますか?」

「っ…」

言葉に詰まる龍太郎。

『……』

隣の小夜が、じっと龍太郎の横顔を見つめている。

「龍太郎ぉ、気楽に気楽にぃ、ゲーム内でのお遊びなんだからさぁ」

雛菊がニパッと笑う。

「お、おぅっ、誓ってやらぁ」

まるでヤケクソのように言う姿が彼らしい。

…それでも小夜は俯き、はにかみ、嬉しそうだが。

「新婦、小夜。貴女は病める時も、健やかなる時も、この者を愛し、生涯、互いに愛と忠実を尽くす事を誓いますか?」

今度は小夜に問いかける神父。

『ちっ、誓いますっ』

頷く小夜。

きっと声に出して言ったら、上擦っていたに違いない。

「では、誓いの口付けを」

「『……』」

向き合い、照れ臭そうに見つめ合う二人。

ゲーム画面の中で、二人のキャラクターが寄り添うように、二度三度と接触する…。