「わかった」

ウェスタは大きく頷く。

「君一人でこんな問題を解決させるのも余りに不憫…私も手を貸そう」

「本当ですかっ?」

声を弾ませる拓斗。

「ああ、デリケートな問題だからな…出来る限り内密に、事が周囲に公にならないうちに解決する事が、君にもこれの持ち主にも最良だろう」

「ウェスタ先生…」

嗚呼、とんでもなくて非常識な人ばかりの天神学園にも、こんな良識あるまともな大人がいたんだ…。

思わず感動のあまり涙がこぼれてくる拓斗。