悶絶し、地面を転がるようにして山奥へと逃げ帰っていく山子。

これだけ痛い目に遭わせられれば、二度と人間の女を攫いに山から下りてくる事もないだろう。

何とか無事に山子退治を果たす事ができた。

「残念だったな龍娘先生、嫁の貰い手が折角現れたのに」

狙撃銃で肩をトントン叩きながら皮肉を言うラルフ。

「貴様も股間を蹴り上げられたいか、じぃ…」

龍娘がジト目で睨む。

「ですが…思い切りましたねしまじろう先生、『龍娘先生は俺の嫁』とは」

触れてはならない発言に容赦なく触れるアン。

しまじろうと龍娘、思わず固まる。

「「……」」

バツが悪そうにお互いの顔を見る二人だが。

「まぁ…助けられたのは事実だしな…」

龍娘はプイとそっぽを向いた。

「宴会場に戻ったら、カルピスの酌くらいはしてやる…」




しまじろうと龍娘の仲も少しばかり縮まり、温泉バスツアーは大団円のうちに幕を閉じるのだった。