「ところで…」

草むらを掻き分け掻き分け、山の中を歩きながら、教師達は小声になる。

「気付いているか?」

「ああ…つけられているな…」

口々に言うラルフと龍娘。

流石、酔っていても勘は鋭い、完璧超人の異名は伊達ではない。

先程から、付かず離れずで気配が追いかけてきている。

「どうしますか?排除しましょうか」

呟くアン。

「ブラック・ドッグに命じれば、すぐにでも仕留めてくれるが」

ウェスタも言うが。

「泳がせておけばよかろう」

龍娘はフンと鼻を鳴らした。

「すぐに仕掛けてくるような様子もないし、敵意も殺気も感じられん…放っておいても害はなさそうだ」