上空と地上、二ヶ所から山子を探す。

これならば発見も早いだろう。

「さてと…私達も山に入るか…山子は深山に分け入った所に棲み処を持つというからな…」

先頭を歩く龍娘。

千鳥足なのは相変わらずだ。

「いかんな龍娘先生、私が先頭を行こう」

ブレスレットの宝石を撫で、ブラック・ドッグを召喚して歩き出すウェスタ。

「ウェスタ貴様、先輩教師の私を差し置いて先頭で目立とうとは…」

龍娘が抗議するが。

「論点が違ってるな、龍娘先生」

ラルフが胡乱な目。

「ウェスタ先生は龍娘先生を心配しておられるのですよ」

アンが抑揚のない口調で言った。