だが、そういう心の機微に最も疎い男がここに一人。

「誠一郎!てめぇ女二人連れで何イチャコラこいてんだ!」

龍太郎がやって来て、誠一郎の首根っこをひっ摑んで引き寄せる。

「ちょ…龍太郎君少し空気読んであげようよっ、折角誠一郎君いい雰囲気なのにっ」

小夜がフォローするが、そんな事は気にしない。

「この七面鳥超美味ぇんだって!お前も食えよ、オラッ!」

誠一郎の口に無理矢理七面鳥をねじ込む龍太郎。

「あ誠一郎だこのケーキも食べてみ食べてみ誠一郎はケーキは生クリーム派?それともチョコ派?アイスケーキも美味しいよねでも私前に一人でアイスケーキワンホール食べちゃってお腹痛くなっちゃったあははははウケるぅ「いや、それ笑う所じゃ…「まぁみんな誰しもそういう経験あるよね「いやないと思いま「若気の至りって奴?過ぎし日の過ち?「どっちも使用方法が違いま「いいからそんな事気にしないで食べなよ誠一郎っ!」

あれだけ嫌っていたのに、いつの間にか誠一郎とマブダチになっている遊里。

小猿のツッコミ役が、また一人ここに誕生。