龍太郎一味のご無体な学園生活

怪異は咆哮で動きを封じられている。

何の防御も回避行動も取れないまま、誠一郎はその炎をまともに受けた。

真紅に染まる眼前の世界。

その凄まじい熱量と破壊力に、天神学園校舎屋上の三分の一が削り取られる。

いや寧ろ、よく三分の一程度で済んだというべき威力だった。

これがかつて、佐倉の眷属が総出でようやく封じたという臥龍の力。

龍太郎一味を半数も倒し、天神学園を大混乱に陥れた怪異をも一撃で消し飛ばす力。

そして龍太郎は否定するかもしれないが、紛れもなく天神学園を救うという運命を背負った者に与えられた力だった。