「俺の邪魔さえしなければ、もう誰も傷つけたりはしませんよ…何でみんな俺の前に立ちはだかるんです?」

本当に分からないとばかりに、問いかける誠一郎。

「じゃあ逆に訊くけどよ」

喋ると肋骨が痛む。

脇腹を片手で庇いながら、龍太郎は質問を返す。

「お前のやり方でお前自身が黙らされたら、お前はどうだ?」

「……」

「訳の分からん悪霊だか怪異だかにおっかねぇ思いさせられて、抵抗できねぇまま錯乱させられる…そんな風に逆らえなくさせられて、お前は気分いいか?」