「丹下」

腕組み、仏頂面。

翡翠が龍太郎の顔を見る。

「貴様、辻神を引き摺り下ろす事ができるのだろうな?ただ打ちのめせばいいというものではないのだぞ?今回の戦いはタイマントーナメントとは違う」

「ああ、わかってる。だから最初は誠一郎に負けたんだ」

翡翠の脇を通り過ぎ、龍太郎は校舎へと入っていく。

ただ力で打ち勝てばいいというものではない。

殴って這い蹲らせればいいというものではない。

それはただ、力でねじ伏せただけだ。

今の誠一郎のやり方と何ら変わらない。