だから天神学園では、はじめから期待しなかった。

どんなに希望を投げかけられても、受け取るつもりはなかった。

幸いこの学園では、力を得る機会がある。

そして運よく手に入れられたこの怪異(ちから)。

この力で、自分を虐げる全てをねじ伏せてみせる。

自分の力で自分の正義を貫いてみせる。

それこそが誠一郎の天神学園での生き方。

「違ぇ…そんなん…この学園での生き方じゃねぇ!」

折られた肋骨の痛みに耐えつつ、脇腹を庇いながら龍太郎が叫ぶが。

「一応今の所、龍太郎先輩が天神学園最強ですよね?じゃあ先輩を潰せば、もう俺のやり方に異議を唱えられる人はいなくなる…」

誠一郎が右手を掲げると、触手達が獰猛な牙を剥く…。