封筒を開け、律儀に数える舞白。

「相変わらず頭は悪いのかしら?二百万円分あるけれど…数も数えられなくなった?」

「うっせ」

顔を顰める龍太郎。

「二年前に言っただろが、百万どころか一兆万倍にして、熨斗付けて返してやらあって。生憎と一兆万倍にはならなかったし、熨斗も準備できなかったけどな」

「……」

舞白の瞳が、細まったような気がした。

「まぁいいわ…私は返してもらうものを返してもらったら、文句はないから」

清々しいほどに未練を残さず踵を返す舞白。