次に目を覚ましたのは夜中だった。

「……」

暗闇の保健室。

体を起こそうとするが、まだあちこち痛くて動けない。

「……」

カーテンの隙間から見える隣のベッド。

ベッドに横たわる銀に寄り添うように、亜麻色のショートボブの知らない女性…奈鶴…が座ったまま顔を伏せて眠っているのが見えた。

付き添いだろうか。

傾けた首を元に戻すと。

「!」

横になっている自分の胸の上に、置き手紙がある事に気付いた。

腕の痛みにやや顔を顰めながら手紙をとる龍太郎。

『優勝おめでとう、まずはゆっくり休んで下さい。また来ます』

龍太郎一味の面々からの書き置きだった。