しかし、これは最強の称号を巡って戦う武人の集まる場。

性別も肩書きも関係ない。

相手が女だろうと、この場で対峙すればそれは敵だ。

「準備はいいな、互い遺恨を残さず正々堂々悔いのないように戦う事」

両者に確認をとるように発言して。

「それでは…はじめいっ!」

寒緋の声で、遂に試合が始まった。

まずユラリと右手を上げたのはメル。

その頭上の空間から。

「!!」

幾本もの剣が降り注ぎ、マットに突き刺さる。