「それにしても…」

喜屋武が拓斗の痣に湿布を貼り付けながら言う。

「うちの預言書に書いてあったのは、この事だったのかしら…」

喜屋武家預言書『あがすてぃあ』。

その中の一節にあった『女傑の兄弟、雌雄を決す』という言葉。

当初は首を傾げたものだが…。

「『女傑』は老師を、その『兄弟』とは兄弟子の龍太郎君と弟弟子の僕の事を指す言葉だったのかもしれませんね…」

呟く拓斗。

「え」

喜屋武が拓斗の顔を見る。

「何で拓斗さんが『あがすてぃあ』の内容を知ってるんです?」

「あ…」

しまったという表情の拓斗。

「さては拓斗さん…ゴールデンウイークにうちの蔵に入って『あがすてぃあ』を盗み読みしましたねぇっ?」

試合後のボロボロな拓斗に、『痛み』の魔法でお仕置きする喜屋武!

「うわあっ!止せ止せ喜屋武っっっ!」

「拓ちゃん死んじゃうっ、死んじゃうようっ」