「よかったっ、拓斗さんの試合に間に合ったっ」

学生寮の仕事で、タイマントーナメント開始までには間に合わなかったが、前日にチケットは購入済みだった喜屋武。

息を切らしてようやく会場入り。

「ごめんなさいっ、すみませんっ、通りますっ」

ペコペコ頭を下げながら、狭い通路を通り。

「ここ、空いてますか?」

『あ、どうぞ』

隣の席の女子生徒に一声かけて着席した喜屋武は。

『「あ」』

それが小夜だと知って、思わずハモって声を上げる。

そして電光掲示板の対戦表を見て二度びっくり。

「『…………』」

気まずい空気の流れる二人…。