そんな声がリングから聞こえた。

「そうなの?シルフィア先生」

ちょうど客席で観戦していたリグニアが、近くの席にいたシルフィアに問いかけるが。

「え?知らないわよアタシ」

シルフィアはキョトンとする。

「あんな鎖準備した覚えもなければ、銀君のコスチュームに口出しした記憶もないもの。今回アタシはノータッチよん」

(まさか…)

リグニアとシルフィアの会話を聞いていたウェスタは、神妙な表情でリング上の銀を見る。

(君はアレを使おうとしているのか…いや、使わざるを得ないほどに蓄積してしまっているのか?銀…)