リング上、ユーリーは視線を走らせる。

その視線が止まった。

1年生達の集団の中の一人、辻神 誠一郎。

無言のまま、圧力を与えるユーリー。

それをどこか涼しい表情で受け流す誠一郎。

「あら…ユーリーお兄様の対戦相手は誠一郎お兄様なんですか?」

目の前のメルが呟く。

「そんなつれない態度をとらないで下さいな…構って頂けないと…」

メルの瞳が、白赤反転した邪悪なものへと変貌する…。

「メルは拗ねてしまいそうです…」