そのタイマントーナメントも、いよいよ明日に迫っていた。

「どうなの?今年は優勝できそう?」

「てめ、かなこ。今、俺が優勝できないと思って訊いただろ」

ニシシと笑うかなこを、龍太郎がジト目で睨む。

「とはいえまぁ…確かに去年より厳しいな…面子が面子だからよ」

「……思うんだけどさ」

マイ金槌を肩に担いで、今度はかなこが龍太郎の横顔を見る。

「龍太郎先輩って、年々発言が謙虚になってるよね。一昨年辺りだと『全員ぶっちめて俺が優勝する!』とか馬鹿っぽい事言ってたらしいじゃん」

「馬鹿っぽいは余計だ」

顔を顰めた後。

「わかるんだよ…ある程度強くなってくると、この面子の怖さとか強さがな…」

龍太郎はそんな事を言いつつも待ちきれない様子で笑みを浮かべた。