ピリピリと肌を突き刺すようなアルベルトの気配。

彼の方から攻撃を仕掛けてくる。

そういう気にさせたという事は、これまでの修行の成果があったという事。

だが。

「俺の力じゃ、学園長の正面からの攻撃にゃ耐えられねぇな」

負けず嫌いの龍太郎が、意外にも素直にその戦力差を認める。

相手は天神学園のヒエラルギーの限りなく頂点に近い存在。

前回一戦交えた時の、あの魔眼でも食らわされた日には、どんなに力量があっても一瞬で敗北させられてしまう。

だから。

「ちと…力貸せよ、臥龍…」

龍太郎が呟いた途端、彼自身の気質も変化する。

いや、変化ではない。

この気質…彼のもの…『人間のもの』ですらない。