「いやぁ、お邪魔する予定はなかったんだけど、異世界(むこう)の方の学園での害獣退治が早くに片付いたものでね…空いた時間に顔を出しに来たんだ」

顎の無精髭を撫でながら、温厚な笑みを浮かべるアルベルト。

異世界の方の学園通学路近辺を徘徊するワイバーンを討伐し、今朝帰ってきたのだという。

まるでスズメバチを駆除した程度の口ぶりなのが流石だ。

「ワ、ワイバーン…」

レベル3のピピルは唖然とするばかり。

「学園長、ワイバーンって強ぇのかっ?」

腕自慢のラロがすぐに飛びつく。

「そうだなぁ…空を飛ぶ点さえ注意すれば、ラロでも勝てるかもしれないね」

アルベルトは目を細めてみせた。