「何を言ってる二人とも」

もがき苦しむ喜屋武を押さえつけたまま、龍娘が言う。

早くも目が据わっている。

「酒などというものは、飲んでは吐き、飲んでは吐きの繰り返しで強くなるのだ。喜屋武のように舐める程度ではいつまで経っても強くなれんわ」

「しかし…」

喜屋武を死んだ魚の目で見つめながら小岩井が呟く。

「白目を剥いています…」

「何?」

龍娘も喜屋武の顔を見る。

…確かに白目を剥き、ジョッキの中のビールをブクブク泡立たせながら、ピクピク痙攣している喜屋武…。