龍太郎は倒れた功刀に駆け寄る。

「バッカ野郎!何手加減とかしてんだよっ!」

「あぁ?」

龍太郎に見下ろされながら、功刀はさも楽しそうに笑った。

「手加減なんてしてねぇよ、本気でやったっての」

つまり、功刀が手加減しているように見えるほどに、龍太郎は強くなっていた。

少なくとも、功刀と肩を並べられるほどに成長したという事だ。

精神面はともかくとしても、龍太郎はもう功刀と互角の強さを身につけている。

「いやぁ、はっはっはっはっはっはっ!」

龍太郎に蹴り飛ばされたというのに、功刀は本当に楽しそうに笑う。

「んだよ功刀ぃ、打ち所悪かったのかぁ?保健室行くかぁ?」

心配そうに顔を覗き込む龍太郎。

功刀は笑う。

これが笑わずにいられるか。

弟分は、自分が思っていた以上に逞しく成長してくれている。