龍太郎一味のご無体な学園生活

「ほれ、マリーも」

龍娘がマグカップを渡したのは、古文担当の教師、京極 鞠子。

「は、はぁ…有り難うございます…」

控えめに微笑む鞠子。

しかしその笑顔には、いつも以上に元気がない。

「全く…修学旅行の土産じゃあるまいし…」

隣で倫理担当の桐木 高成が溜息をつく。

二人は龍太郎のクラスの担任副担任の間柄。

共に行動する事も少なくない。

「で…」

土産を配って回っているしまじろうと龍娘を見つめる鞠子に、高成は呟く。

「そんなにあのバカップル夫婦が羨ましいですか?」