そんな龍太郎の考えを見透かすように。

「俺ももう天神学園の生徒じゃなくなった事だし、生徒会役員でもねぇ訳だし…どうだ龍太郎、一発勝負してみねぇか?」

「はぁ??」

功刀の提案に、龍太郎は素っ頓狂な声を上げる。

「ガチンコのタイマン勝負だ。在学中はどういう訳か、おめぇ俺にだけは喧嘩売って来なかったからなぁ…どしてだ?強ぇ相手なら片っ端から喧嘩売って歩いてたおめぇがよぉ」

「……」

尊敬する相手は殴れない。

喉元まで出掛かった言葉を、龍太郎は飲み込む。