ムジン島は自然の豊かな島である。

説明した通り、四国程度の大きさの国土。

しかしそんな大きさの島に、何と1億人の人間が暮らしている。

人、多すぎ。

イメージとしては、ハワイの街並みにインドの人口。

空港で入国手続きをして、鞄片手に二人が歩いていると。

「ダンナー、ニモツモツヨ、ニモツ」

「オハナカッテ、キレイナオハナダヨー」

「クツミガキドウ?ヤスクシトクヨー」

浅黒い肌の現地人達が、カタコトで言い寄ってくる。

旅行者から小銭を巻き上げる人々だ。

「いや、いいから、荷物は自分で持つから」

「どこの世界にサンダル磨く奴がいるんだっ」

ワラワラと群がってくる連中を掻き分けながら歩くしまじろうと龍娘。

ムジン島の人々にとって、日本人は特にいいカモなのだとか。