「あー面白ぇ」

散々龍太郎の頭を撫で繰り回して、功刀の笑いがようやく収まる。

「俺ぁちっとも面白かねぇやっ!」

ガーッとまくし立てる龍太郎。

「まーまーそう言うなよ、久し振りに会ったんだからよぉ」

功刀はまた龍太郎と肩を組む。

圧し掛かる重み、太い腕、筋肉の硬さ。

卒業してからも、立派な体躯はそのままだ。

功刀が卒業する時も思った。

こんなガタイのいい馬鹿力の持ち主が、どうして芸術家なのか。

文化委員長や芸術家より、天神学園を仕切る番格の方がよっぽど似合いだろうに。