アルベルトに師事しているというのに、龍太郎はアルベルトに稽古をつけてもらった事が殆どない。

今日も放課後、校庭の片隅に向かったら愛が待っていた。

またか…と小さく溜息をつく龍太郎。

「そ、そんな嫌な顔しないで下さいよぅ」

困惑顔の愛。

「何だよ、学園長はまたご多忙につき欠席か?」

空手着の黒帯をギュッと締め直しつつ、龍太郎はボヤく。