一部始終を見届け、リグニアは戦慄のままその場に凍りつく。

そんな彼女を一瞥し。

「……」

微かに笑みを浮かべ、誠一郎は人差し指を口元に立てて見せた。

いつか日音子に対してやって見せたように。






その日再び、一人の生徒が行方不明になり、数日後には繁華街で発見された。

『溝の臭い』という言葉をしきりに繰り返し、錯乱状態に陥ったまま…。