そんな彼の背中に。

「わたるんわたるん」

一人のちびっ子が飛びついてくる。

阿行。

白い着物、素顔を見せたくなく白い面をつけていたが、渉から顔文字お面24種を貰ったのでそれをつけている。

特筆すべきはお馴染みIカップ(公称)と噂されるその豊満なアルカディア。

本来は都市伝説に語られる怪異らしいのだが、怪異として血の海に沈めるのか、そのアルカディアで血の海に沈めるのか、最近では曖昧な事この上ない。

「何見てるの?(`・ω・´)」

そんな阿行の視線が、わたるんと同じ方向を向く。

その先には、わたるんと同じく無言のまま紙コップを傾けている、長い前髪で瞳の隠れた男子生徒…。