やがて。

「ぐぅっ…!」

激痛とダメージに耐え切れず、タフなラロも足を止めてしまう。

「…もうやめた方がいいよ」

スピードで攪乱していた拓斗も、立ち止まって心配そうにラロを見る。

「くそっ…流石は天神学園のトップクラスの武道家だな…こんなに俺に『壊せないもの』が存在するなんて…」

息を荒くしながら呟くラロ。

しかし。

「…それは違うかな」

拓斗はクスッと笑った。

「僕はトップクラスなんかじゃないよ…僕はずっと追いかける立場…高い所で迎え撃つんじゃなくて、僕自身がもっと強い誰かを追いかけて、挑戦する立場なんだ」