翌朝。

「やぁ、来たね」

誰もいない天神学園体育館の真ん中に、下平 アルベルトはハンドポケットのまま立っていた。

傍らにはいつものように、学園長案内役兼世話役…ってーか、もうぶっちゃけ彼女の愛がいるので、誰もいない、というのは語弊だが。

「かっ、彼女じゃないです理事長さんっっ」

照れる愛は置いておき。

「うっす、今日から世話になんぜ、学園長」

空手着、黒帯のまま、龍太郎はニッと笑みを浮かべた。