起き上がりと同時に、龍太郎は回転蹴り!

十牙を彷彿とさせる蹴り技に、拓斗はトトンッ、とステップを踏んで距離をとる。

「そんなに強いのに、もっと強くなるの?」

これだけの攻防を繰り広げながら、息一つ乱れていない拓斗。

「馬鹿言ってらぁ、俺より強ぇ奴ぁ幾らでもいるぜ」

龍太郎は拳を握り締める。

「もう『人間』レベルの強さじゃ、勝てなくなるかもな」