「っっっっ…」

かぁあぁぁっ、と。

頬を染めて俯く愛。

「おいおい龍娘先生、別に愛は恋人という訳じゃないよ」

苦笑いするアルベルト。

とはいえ、特別視しているのは間違いあるまい。

…先日行われた、学園体育教師の奥方の出産祝いを兼ねた月見大会。

それに参加した折、愛は屋敷に顔を出したアルベルトに一目惚れ。

以来、アクションを起こすでもなく、ひっそりと彼の姿を見ては溜息をつく日々を送っていた。

そこで気を利かせたのが同じ1年生で生徒会役員の七星。

彼女は、普段天神学園を留守がちで学園に疎いアルベルトの案内兼世話役として、愛を学園長につけたのだ。

いわば天神学園生徒会長・白神 月(しらかみ つき)に対する秘書のネコミミメイドのような立場と考えれば分かりよいか。