まぁそれはともかく。

「おめぇが、アレだろ?体育祭実行委員長の弟だろ?」

ヤンキー達は誠一郎に歩み寄ってくる。

馴れ馴れしく肩を組んで、煙草臭い息を吐きながら話しかけてくる。

「何だこの長ぇ前髪、前見えてんのか?」

気安く誠一郎の前髪を弄るヤンキー。

「……」

何も言わないものの、微かに不快な表情を見せる誠一郎。

が、そんな他人の表情の変化を見抜けるほど、ヤンキー達は繊細ではない。