「申し遅れました」

少女は礼儀正しく頭を下げる。

「私、今年度天神学園に進学致しました日音子(にねこ)と申します…お見知り置きを…」

「はわ~、これはどうもご丁寧に~」

日音子に対して、深々とお辞儀する雪菜。

何だか似た者同士。

「それで…」

無表情、しかし穏やかな口調で、小岩井は日音子に語りかける。

「日音子さん…自分らに何か御用でしょうか…?」